体育館にワックスがけをしたらダメって本当?日常の清掃方法もご紹介

体育館に響く、バスケットシューズの音が好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな体育館の床板はメンテナンスとして以前からまめに水拭き・ワックスがけが行われていました。しかし、近年そのやり方に変化が起こっています。今回はそんな体育館におけるワックスがけの是非についてまとめました。併せて、日常の清掃方法についてもご紹介しています。

体育館の床に求められる特徴

体育館の床に必要な条件の一つは、耐スリップ性です。時に激しい運動を行う体育館の床は、滑り過ぎても滑らな過ぎても事故や怪我につながりかねません。最適なスリップ性を実現するために、学校の体育館の床材にはウレタン樹脂塗装が施されています。ウレタン樹脂塗装は、スリップ性以外にも、運動に適した光沢や耐久性、弾力性を実現してくれています。

体育館の床材の塗装は使用を重ねることで摩耗し、ワックスの特性が損なわれてしまいます。それを修復するために、スポーツ施設向けのワックス剤が市販されています。しかしワックス剤選びは下地との相性などを総合的に判断しなければならず、素人には困難です。安全に関わることでもあるので、もしワックスがけを行いたい場合は体育館の管理者と相談・検討を行いましょう。

体育館のワックスがけは基本的に禁止

消費者庁の消費者安全調査委員会は、2015年から行っていた体育館に関する事故等原因調査報告書をとりまとめました。それに伴い、文部科学省からも体育館の水拭きおよびワックス掛けの禁止を盛り込んだ「体育館の床板の剥離による負傷事故防止について(通知)」が通知されました。

「体育館の床板の剥離による負傷事故」の概略

文部科学省の通知によると、一般的なメンテナンスとして体育館の床を水拭き、ワックスがけは避けるべきとされています。ところが日常的に清掃の一環として広く水拭きやワックスがけが行われているのが実態です。それによって体育館の床板が剥離し事故の原因につながっているということが、この報告書の主旨です。

木材は、水分を吸うと膨張し、乾くと収縮するという特徴があります。水拭きによる清掃を含め、体育館内の湿気、結露、雨漏りといった想定以上の水分が加わることによって、床板は膨張と収縮を繰り返します。そうして変形することで木片が剥離し、利用者に刺さるといった重大事故も起きています。こうした経緯から、体育館の維持管理に、日常的な水拭きおよびワックスがけは行うべきではないという呼びかけが行われています。

日常な体育館の清掃方法

普段の体育館の清掃では、乾いたモップや雑巾を使った乾拭きが基本です。床板の向きに沿って乾拭きをしましょう。このときにもしモップや雑巾にひっかかりを感じる箇所があれば、床板の傷みのサインです。その場ですぐに応急処置をしましょう。

モップや雑巾は体育館専用品として保管し、ほかの場所の掃除用具とは共有しないようにします。これは、不要な油分を体育館に持ち込まないための措置です。また、体育館用モップとして、帯電防止処理が施され艶出し剤を含まないものが販売されています。

一般的なモップは汚れを擦り落とす構造にもなっているため、体育館用には不向きですので注意してください。そうして乾拭きによって集めた埃は、掃除機で吸い取るとよいでしょう。掃除に使ったモップは叩いたり掃除機で吸ったりして埃を落とします。もし汚れがひどい場合には、必要に応じて中性洗剤で洗い、よく乾燥させましょう。

乾拭きで落ちにくい汚れの対処法

体育館には、さまざまな汚れがあります。乾拭きでは落ちにくい飲料水のベタつきや血液といった汚れ、油類は、濡らして固く絞った雑巾で拭き取るか専用のクリーナーを使用します。水拭き後は乾拭きによって水分を拭き取り、必要以上に床板に水分を残さないように心がけましょう。

あらかじめ体育館に砂が入ってこないように配慮することも大切です。体育館が屋外とつながっている構造なら、その出入口に土砂用の足ふきマットを置くのが効果的です。マットを一枚置くだけで、ほかの部屋からのワックスや油脂の持ち込みも減らすことができます。

床板の傷みの応急処置

床板のささくれを見つけたら、その場で応急処置をしなければ思わぬ怪我につながります。まずは、ポリプロピレン製の幅広テープでふさぎましょう。このときに、ガムテープや養生テープ、ビニールテープの使用は避けましょう。粘着力が強過ぎるため、剥がすときに床板のささくれがひどくなる可能性があります。これで応急処置は完了です。

このとき、応急処置をしたテープに処置日を書き込んでおくと便利です。どれだけ放置したのかが一目瞭然となり、修理時期を決める目安となります。まとまった時間が取れたら、ささくれを瞬間接着剤でつなぎ、先端の尖りをやすりかカッターで除去しましょう。

やむを得ずワックスがけを行う場合は

上記の通り、体育館のワックス掛けは基本的に禁止されています。しかし、長くワックスがけを行わないと、スリップ性が落ち、ツヤがなくなってしまいます。そうした運動しにくさと見た目を改善するために、やむを得ずワックスがけを行うケースもあるかと思います。その場合には、床板への水分の影響を最小限にすることが大切です。

従来のワックス剤には水分が多く含まれています。また、ワックスを施す前に塗布するワックス剥離剤にも水分が多く含まれています。それらの水分が床板を劣化させる原因となるため、使用が禁止されました。確かに、目先の性能や美観を重視するあまり、床板を傷めて事故や怪我を招いてしまっては本末転倒です。体育館にワックスがけを行う場合には、頻度や使う製品を管理者とよく相談しましょう。最近市販されているワックス剤の中には、文部科学省からの通知を踏まえて改良された水分を含まない製品も出ています。そうした製品の使用によって、安心感のあるワックスがけが行えます。

まとめ

今回は体育館のワックスがけの是非を中心に、普段の清掃方法などをまとめました。参考になったでしょうか。バスケットボールをプレイするためには、床板のタイスリップ性は非常に重要です。

上尾駅、北上尾駅から徒歩8分に位置する「SHOOTINGSTARS'(シューティングスターズ)」では、床のグリップ力回復が望めるメンテナンスクリーナーを販売しております。低コスト高パフォーマンスを発揮するおすすめの商品ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。安心かつ安全にプレイが楽しめるよう、体育館のメンテナンスには常に気を配りましょう。